|
|
|
■あっぱれ、うなぎパワー 「土用の丑の日、うなぎの日。うなぎは腎水を増し、精気を強くし、食すれ ば夏負けすることなし」。これはエレキテルの研究などで有名な平賀源内が、 夏になると需要が落ち込むうなぎを売り込むために作った江戸時代のキャッチ コピーだ。 このコピーが功を奏したのか、二百余年後の今も「土用の丑の日」にはうな ぎの蒲焼きを食べる風習となっている。売り上げも普段の日の3倍に跳ね上が るとか。今年の土用の丑の日は27日だが、果たしてうなぎには源内のコピー のように夏の活力源となる栄養があるのだろうか。 うなぎの最大の特徴は、ビタミン類が豊富なこと。A、B群、D群、E群が たっぷりと含まれている。とくに、うなぎに含まれるビタミンAはレチノール と呼ばれ、視力の低下や皮膚の荒れを防ぎ、免疫力を高めるので夏風邪の予防 にも効果を発揮する。魚にも含まれてはいるが、こちらはおもに廃棄される内 臓部分なのに対し、うなぎは肉の部分にもたくさん含まれている。レチノール は脂溶性なので、うなぎの脂肪は効率良い吸収を助ける作用をする。この脂肪 は悪玉コレステロールを抑制する不飽和脂肪酸なので、ご安心を。 また、中性脂肪やコレステロールを抑えるEPA(エイコサペンタエン酸)や 血栓を防ぐDHA(ドコサヘキサエン酸)も青背の魚以上に豊富だ。DHAは脳機 能の改善もするので、うなぎは「頭脳食」ともいえそうだ。さらに、うなぎの 表面のヌルヌルはムコプロテイン(糖タンパク)という成分で、暑さで弱った 胃腸の粘膜を保護して消化吸収を助けてくれる働きがある。ほかにも、良質な たんぱく質、カルシウムが豊富だ。やはり、うなぎは夏バテ予防にもってこい の魚といえる。 暑くなると消化酵素の働きが落ちるのであっさりしたものが欲しくなるが、 疲れを感じたら旨みたっぷりの蒲焼きで体力を回復させよう。粉山椒は味を引 き立てるだけでなく、消化吸収を高める胃酸の働きを活発にするので、熱々で 香ばしいうなぎに一振りして召し上がれ。 |
||