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■「良性発作性頭位めまい症」とはどんな病気？ ★急に立ち上がったりお辞儀をすると突然めまいが起こり、数十秒で落ち着く。 この症状が「良性発作性頭位めまい症」だ。聞きなれない病気だが、最近の 「めまい専門外来」ではもっとも多い疾患だ。 病名に「良性」とつくのは命の危険があるわけではないからだが、吐き気や 嘔吐を伴う場合もあるので患者にとってみればつらいものだ。意外に多いこの 病気、近年80％を超える改善率の治療法が考案された。 良性発作性頭位めまい症は耳(内耳)が原因で起こるが、寝返りをうつ、前傾 して顔を洗う、後傾して洗濯物を干す、美容院で仰向けになって洗髪するなど 頭を動かした１〜３秒後に回転性のめまいを起こす病気だ。 その持続時間はほとんどが30秒以内、長くても３分以内で、めまいを起こし たときの頭位(頭の位置)を変えれば回復に向かう。しかし、その頭位は人によ って違い、また同じ人でもその時々で違ってくる。耳が原因で起こるめまいを 起こすほかの疾病(突発性難聴やメニエール病など)との大きな違いは、聴力を 失ったり耳鳴りがないことだ。また、意識や言葉、運動の障害をともなうこと もない。 では、どうしてめまいが起こるのだろうか。病気の発生源は内耳だと説明し たが内耳にあるのは平衡感覚をつかさどる耳石器と三半規管で、リンパ液で満 たされている。現在もっとも有力な仮説は、耳石器にある耳石という砂粒のよ うな結晶がはがれ落ちて三半規管内に漂い出し、頭を動かした拍子に耳石が移 動して三半規管を激しく刺激してめまいが生じるというものだ。 原因がわかってきたため、治療法も確立しつつある。頭位をゆっくり動かし ながら三半規管の耳石をめまいを起こさない場所まで移動させる「エプリー法」 という運動療法だ。米国の研究者が考案したものだが副作用もなく治療は数分 間で完了し、改善率は80％を超えるというのだ。こんな症状で悩んでいる方は、 めまいの専門医に相談してみてはいかがだろうか。 |
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