スポーツにおけるアセロラの効用@必要不可欠のA病気予防やBビタミンCCエネルギ補給
病気予防や疲労回復に効果
本場はブラジル
Jリーグ柏レイソルの平石貴久チームドクター(48=平石クリニック院長)は、意識的に高レベルで体内にビタミンCを維持する「Keep C」という考えを提唱する。毎日の激しい運動によって大量のビタミンCを消費する柏イレブンに、果物でビタミンC含有率が一番高いアセロラの飲料を使って「Keep C」を実践。毎日補給しないと減っていくビタミンCを体内で飽和状態にして維持し、疲労回復、病気の予防などの効果をもたらしている。
このきっかけになったのが、3年前のある出来事だった。元プロテニスプレーヤーの伊達公子さんをコンディショニングを中心に指導していた平石ドクターは1996年(平8)4月28日、女子国別対抗戦「フエド杯」1回戦日本対ドイツを東京・有明コロシアムで観戦。その時、伊達さんの対戦相手だったグラフが飲んでいた赤いスペシャルドリンクに目を引かれた。「ビデオで研究して(その正体が)アセロラらしいという結論になった」。
アセロラの本場はブラジル。平石ドクターは早速、当時柏の選手だった元ブラジル代表のカレカ、エジウソンに話を聞いた。返ってきたのが「ブラジルではアセロラの実からジュースを作って飲んでいる。オレンジよりアセロラの方がずっと(コンディショニングには)いいよ」という答え。このときから選手のビタミンC補給はアセロラを中心に行うようになった。
平石ドクターが提唱する「Keep C」、アセロラの本場ブラジルでは早くからその意識が定着している。現在はブラジルのカンピーナスで子供たちを指導するカレカは、アセロラの味を好み現役時代からよく飲んでいる。「今も1日おきぐらいに飲んでいるよ。ビタミンCが豊富で元気が出る。風邪をひかないという健康面での効用は意識しているよ」。
ブラジルではアセロラを飲んで「Keep C」を実践している選手も多く「Keep C」が常識。カレカが「ウチのサッカースクールでも子供たちによく飲まれているよ」と言うように、サッカー王国では選手はもちろん、子供からお年寄りまで、アセロラが愛飲されている。
ビタミンCを十分に摂取すると疲労がとれ、疲れにくくなる。その上、強い筋肉を作るとともに筋肉の活性にも重要な役割を果たすことが分かっている。トップ選手に必要な1日当たりのビタミンC摂取量は2000mg以上。強いストレスに囲まれて生活する人、トップ選手でなくともスポーツをする人にもビタミンC不足が多く、これに準ずる量が必要とされる。人が作り出せないビタミンCを意識的に高レベルで体内に維持する「Keep C」という概念は、トップアスリートにはもちろん、一般人にも必要不可欠になっている。