パソコン作業による精神的・身体的疲労「テクノストレス」撃退法
  パソコンを長時間にわたり集中して使ったとき、眼の疲れや痛み、頭痛、肩
こりなどを感じることがある。これは「テクノストレス」と呼ばれる症状で、
仕事中にこの症状が継続する場合は「VTD(Visual Display Terminals)症候
群」という職業病とされている。

 日本でもテクノストレスを訴える人が増加傾向にある。1998年に旧労働省が
行なった実態調査によると、パソコン作業をしている人のうち、精神的疲労を
感じている人は36.3%、身体的疲労を感じている人は77.6%にのぼっている。
昨年4月には厚生労働省がガイドラインを策定し、事業者に作業時間や作業環
境などの見直すよう指導している。

 とはいっても、自己防衛がもっとも大切だ。これらの不快な症状を予防した
り蓄積させないためには、ちょっとしたコツがある。1時間に10分を目安にし
て休憩を心がけよう。休憩時間を惜しむと、作業能率が下がる傾向もあるよう
なので、10分の息抜きタイムは一石二鳥だ。席を立って窓から外の景色を眺め
るなど、体の緊張も解こう。注意を要するのは目とモニター画面までの距離。
仕事に夢中になるとつい近づき過ぎてしまうが、50センチから70センチほど
離れて、目線がやや下向きになるように椅子の高さを調節することが大切だ。

 疲れを感じたら、首を前後左右に動かす、大きく伸びをする、ひじを曲げて
腕を大きく回すなど、ストレッチがおすすめ。血行促進やリラックス効果があ
るし、気分転換にはぴったりだ。疲れがたまる午後には、眠気ざましのW効果
を期待して軽い屈伸運動をしてみよう。やはり、仕事中に画面、キーボード、
書類の3点の視線移動から解放される時間がケアの鍵になるようだ。

 さて、市販のドライアイ用目薬の大半は、開封後1カ月から3カ月ほどしか
もたないので早めに使い切ろう。付属の袋は携帯用ではなく、遮光して中身の
変質を防ぐためのものなので、机の中に入れておく場合でも必要だ。
 食事でも眼精疲労などの目のトラブルが軽減できる。ブルーベリーやぶどう、
ナス、紅イモなど、紫色素アントシアニンが含まれるものを意識的に採りたい。

[関連サイト]
●厚生労働省「新しい『VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン』
 の策定について」
 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/04/h0405-4.html